コラム「足あとを灯す」〜第5編『前を行く影と』
第5編『前を行く影と』
8月下旬、朝からじりじりと照りつける夏の太陽を背に受けながら、日課の散歩道を一歩一歩進んでいきます。強い朝の光を浴びると、自分の背丈よりも遥かに長く伸びた黒い影が、まるで自分を先導し、道を切り拓いていくかのように前を歩いている不思議な光景に出会います。「あの影はどこへ行くのだろう」と、幼い日に抱いた素朴な好奇心が懐かしく蘇ります。
前を行く長い影を見つめていると、それは太陽という力強い光を背中にしっかりと照らされているからこそ現れるのだと気づかされます。私たちがこれまでに歩んできた歴史、周囲から注がれてきた温かな支え、そして神様から与えられてきた数々の恵みという「光」を背中に受けているからこそ、未来へ向かう確かな足取りが前方に映し出されるのです。
厳しい暑さや人生の試練の中にあったとしても、背中の光に感謝しつつ、前を行く影を踏みしめるようにして歩みを進めること。過去の恩寵を力に変えながら、まだ見ぬ未来へ向かって今日の一歩を誠実に刻んでいきたいと感じる夏の朝のひとときです。(理事長)