愛の園福祉会 お知らせ

コラム「足あとを灯す」〜『第11編 二度目の金木犀と実りの季節』

コラム「足あとを灯す」〜『第11編 二度目の金木犀と実りの季節』

夕暮れ時、久しぶりに散歩へ出ると、ふっと柔らかな金木犀の香りが漂ってきました。今年は例年より早く、9月19日に最初の開花に気づきましたが、それから二週間ほどが経ち、その時咲かなかった木々が遅れて花開いたようです。「ああ、秋だなあ」と、心地よい空気に包まれながら深く息を吸い込みました。

雨模様が続いた9月は、子どもたちにとって戸外で思い切り駆け回る機会が限られた日々でした。しかし季節は歩みを止めず、すっかり秋めいた澄んだ風が吹き抜けるなか、各園ではいよいよ運動会シーズンを迎えます。走る、跳ぶ、力を合わせるといった運動を通じて、子どもたちの日々の確かな身体の育ちを実感する頼もしい季節です。

それとともに大切にしたいのは、子どもたちの豊かな感覚を育む関わりです。いつの間にか途絶えた蝉しぐれに代わって響く秋の虫の声、頬をなでるカラッとした空気、街角を彩る金木犀の香り、そして実りの味覚――。身体のたくましさを育むと同時に、季節の微細な移ろいに気づく五感のひらめきをそっと促したい。秋の豊かな恵みを全身で味わいながら、子どもたちと共に日々を重ねてまいります。(理事長)