コラム「足あとを灯す」〜『第7編 対話と組織』—心の対話を活かす—
第7編 対話と組織—心の対話を活かす—
近年、様々な組織や保育現場でも導入されている一対一の面談(1on1)ですが、その運用のあり方には深い思索が必要です。
職員の悩みや意見に耳を傾け、気持ちに寄り添う「傾聴」は対話の基本ですが、単なる愚痴の聞き役に終始したり、その場しのぎの慰めや共感だけで終わってしまっては、本当の意味で職員の成長や職場の改善を促すことはできません。
真に対話を生かすために大切なのは、相手の葛藤や想いを丸ごと受け止めて承認した上で、「では、あなたはこの場所でどのように力を発揮していきたいか」という内発的な主体性を引き出すことです。
個人の想いを、組織が目指す理念や本人が担うべき役割責任へと力強く結びつけていくこと。対話を一度きりの面談で終わらせず、日々の気づきと実践、振り返りの循環へと落とし込んでいくことが重要になります。 互いの存在と立場を深く尊重し合い、率直に語り合える対話の場が、私たちの現場にどれほど豊かに育まれているか。職員一人ひとりが誇りを持って輝ける職場を築くため、リーダー自身の向き合う姿勢が常に問われています。(理事長)