コラム「足あとを灯す」『第12編 モグラ塚発見!』〜足もとの見えない世界
コラム「足あとを灯す」『第12編 モグラ塚発見』〜足もとの見えない世界
自宅の雨水管や汚水管の蓋の脇、お隣さんとの境のブロック塀脇に、もこもこと盛り上がった五つの土の山を見つけました。「モグラが出た」と気づいた瞬間、驚きとともに、普段は見えない足もとの世界がにわかに身近に迫ってきました。
調べてみると、モグラは強い縄張り意識を持ち、いくつもの土の盛り上がりも実はたった一匹が懸命に掘り進めた痕跡なのだといいます。お向かいの造成工事などで棲み処を追われ、逃れてきたのかもしれません。玉砂利を払い防草ネットをどけてみると小さな穴が地中のトンネルに繋がっていました。盛り土をならし、隙間を塞いで、モグラよけの処理をして次を踏み固めました。
私たちが普段平穏に歩いている地面の下には、目には見えない無数の命の営みと、複雑に張り巡らされた見えない通路が広がっています。思いがけない土の盛り上がりは、人間が管理しているつもりでいる日常のすぐ足もとに、広大で力強い自然の摂理が息づいていることを教えてくれます。
組織の運営や子どもたちの育ちもまた同じかもしれません。目に見える表面の出来事だけに心を奪われるのではなく、見えない土の底で何が起きているのか、どこに空洞が生まれ、何が動いているのか。足もとの見えない営みへ謙虚に心を配りながら、改めて日々の確かな歩みを重ねてまいります。(理事長)